| ステージの両サイドに束ねられた、ゴージャスな白い横断幕。その前方にはオーディエンスが所狭しとごった返しており、会場は開演前から湯気が上がるくらいの熱気に充ち満ちている。やがて暗転したステージに光が灯され、クリーム色のふわりとした衣装で登場した3人。1曲目に選んだのは、鮮やかなピアノの旋律が胸を打つ『SEVENTH
HEAVEN』だった。
前髪をパッツンと切り揃えた樫野有香(以下:かしゆか)が優しく微笑めば、大本彩乃(以下:のっち)のダンスはいつも以上にキレがありしなやか。ブリブリのベース音が木霊した『エレクトロ・ワールド』で早速、サビメロ大合唱が沸き起こると、『スウィートドーナッツ』では西脇綾香(以下:あ〜ちゃん)が「みんなもっと!きどってないでー!」と扇情する。元気な3人の姿に、会場はたった3曲でクライマックスのようなボルテージに達してしまった。
かと思えば続いて3人は、『Baby cruising Love』のメロディを物憂げな表情で歌い上げ、『ファンデーション』ではマイクスタンドを駆使した立体的なダンスをしっとりと披露する。この日がライブ初披露となった『マカロニ』の、可愛らしいダンスと柔らかいハーモニー等々、今度はフェミニンな魅力に溢れたナンバーを畳みかけ、『イミテーションワールド』が終わる頃には男性のみならず、女性ファンまでもが恍惚の表情でうっとり虚ろな表情に。
ミラーボールの煌めく中、ゴリゴリのボトムが鼓膜を胸を震わせるダンスビートが疾走した『チョコレイト・ディスコ』で、一旦ステージを後にした3人。後方のスクリーンに懐かしの映像などが映し出されると、インターバル明けには『Prima
Mix』と題されたコーナーがスタート。本編では披露されなかった過去の代表曲などがメドレー形式で贈られ、カラフルな衣装に着替えた3人の弾けるエネルギーに、会場は色とりどりのハッピーに包まれたのだった。
また、この日のライブでは何よりMCが絶好調!ライブタイトルを言っても笑いの起きなかった会場にご立腹したかと思えば、この日が母の誕生日だと報告し、まさかの「ちひろ(母の名前)コール」をわき起こす。さらには「それでは聴いて下さい……、『nakano
kill you』!」とピエール中野もビックリの曲紹介で爆笑を呼ぶMCの天才・あ〜ちゃんをはじめ、自らのグッズの質感を「嫌い」と酷評してしまうかしゆか。あげくは「(そろそろ)曲にいきたいなー」とボヤいてしまうのっちと、爆笑必至の超絶MCが次々に飛び出す。広島弁特有の温かみも手伝って、近未来的なビジュアルイメージとは対極の、人間味溢れるアットホームな魅力でオーディエンスをほっこり楽しませる。
しかし一度、楽曲が始まれば途端にオーディエンスはそのゴリゴリのボトムに身を投げ打つように踊り狂い、『ポリリズム』ではいわゆる“ポリループ”パートも音源通りに再現!キメキメのダンスで観客の度肝を抜く。そして『コンピューターシティ』で一気に弾け飛んだグルーヴは、本編ラストの定番チューン『Perfume』まで休むことなく鳴り続け、会場は間違いなく過去最高のボルテージまで辿り着いた。
黒いTシャツ姿で再登場すると、遂に泣き出してしまったあ〜ちゃん。「言葉に出せないくらい大きい夢だったから、大事にしたいんです」と振り絞るように語った彼女の姿に、思わずもらい泣きしそうになるが、「友だちを呼びすぎた……けど、今日は会長さんがおらんけん、大丈夫……」と、しっかり笑いで締める彼女のセンスには脱帽である。そして最後は『カウンターアトラクション』『スーパージェットシューズ』と音源化されていない過去の名曲を届け、やはり定番の『wonder2』で終幕。ゆるやかなビートに乗せて、会場全員がコーラスを合唱する、大団円を迎えたのだった。
アンコールのMCでも告知されたのだが、4月16日に発売するニューアルバムのタイトルが『GAME』に、さらに4月末からは初の全国ツアーとなる【Perfume
First Tour 『GAME』】の開催も決定した。新作ではこの日も披露され、季節感ぴったりの演出で観衆を魅了した『Twinkle
Snow Powdery Snow』や、「ココから始まったといっても過言ではない」『ポリリズム』など、あ〜ちゃんをして「もうね、バキバキですよ?」と言わしめる程の楽曲が揃っているという。そんな盤を携え迎える初のツアーも、大盛況となることは間違いないのだが、個人的には是非、近年のPerfumeの活躍を見て、「所詮アイドルだろ?」とまだ眉唾なスタンスを取っている方にも体験して欲しいと思う。ジャンルやカテゴリーを越える魅力から、業界関係者や同業者をも唸らせるクオリティ。一見さんをも即KOできる程のパッションが、今の彼女たちのステージには充ち満ちている。2008年、間違いなく大きな台風の目となるであろうPerfumeは今、更なる高みを目指して、大きく羽ばたこうとしている。
text.杉岡祐樹
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